Non-contact Estimation of Intercellular Breaking Force Using a Femtosecond Laser Impulse Quantified by Atomic Force Microscopy


*Yoichiroh Hosokawa 1, Man Hagiyama 2, Takanori Iino 1, Yoshinori Murakami 2, and *Akihiko Ito 3


1: Nara Institute of Science and Technology

2: Institute of Medical Science, University of Tokyo

3: Department of Pathology, Faculty of Medicine, Kinki University


生物の構造や運動の基礎を成す細胞同士の力学作用は、再生医学や免疫医学などの基礎を成すバイオメカニクスとして近年注目されており、細胞間接着はその根本問題です。しかしながら、これまで生物に存在する種々の形態をとる細胞間の接着を、同一基準で評価することは難しく、1細胞レベルでの細胞間接着の一般的な理解の妨げとなっていました。我々のグループは、レーザー誘起衝撃力を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて定量化することに成功し、それを応用することにより、1細胞レベルの細胞間接着力の非接触計測技術の開発に成功しました。この技術は、レーザーを利用しているにも関わらず、レーザーが細胞に直接接触しません。もちろん計測において機械部品等が細胞に接触することはなく、細胞の培養条件を乱すこともありません。本論文では、血管内でおこる血管細胞と白血球の接着や皮膚組織でみられる上皮細胞の接着を顕微鏡下で再現し、両者の全く異なる形態をとる接着を、同一基準で評価することに世界で初めて成功しました。
 

プレスリリース